NPO法人未来図書館さんは、岩手県内の中学生・高校生の進路選択や地域について考えるフォーラムを開催しており、アンダーエイジも地元の子供達にお笑い芸人として夢を追って、それを実現させた事等を話をさせていただいております。
そんなフォーラムが東日本大震災の被災地である山田町立山田中学校で開催され、中学2年生の皆さんと熱く語り合いしてきました。
今回のテーマは「地元について」
東日本大震災で甚大な被害を受けた地域の子供達と膝を突き合わせて話すのは初めてのアンダーエイジ、どんな話が聞けたのでしょうか。
アンダーエイジはそれぞれ分かれ、10名程度の生徒さんと話をします。
はじめは山田のいいとこと、好きなところを聞いていきます。
「自然がたくさんある」「人がいい」「食べ物がおいしい」「空気が綺麗」「冬がそんなに寒くない」「伝統的なお祭りがある」
など、皆それぞれに地元を愛しているポイントを話してくれました。
特に自然豊かな町であるというのは多くの人から聞かれました。
逆に山田の良くないところ、直してほしいところ、嫌いなところも聞いていきます。
「とにかく交通の便が良くない。バスの本数は少ないし、電車も止まったまま。」「隣接の釜石市まで遊びに行きたくても電車が無いし、バスも少ないから気軽に行く事が出来ない。」「震災前の町に戻っていない、7年近くなるけど退化している感じがする。」
という厳しい話が聞かれました。
もちろんそこには、大人たちが一生懸命努力をして町を再建していこうという姿を毎日見ているのであまり厳しいことはいいたくないけど...という気持ちがあることは容易に想像が出来ました。
自分達の将来についても聞きました。
大多数の生徒さんが山田を出て盛岡や仙台、東京で勉強や仕事をしたいと言っていました。
その理由として「山田には学校、仕事が無い」「都会にあこがれがある」「大好きなアイドルの追っかけをしてみたい(笑)」など様々な話が聞けました。
故郷である山田は大好きだし、ここで暮らしていければ一番だけど、自分達のやりたいこと、求めているものがここにはない、だから出ていくしかないという現実。
全国の地方都市がが抱える問題の縮図を見た気がしました。
生徒さん達の本音を聞いた後、アンダーエイジからは人生の先輩からのアドバイスをさせていただきました。
熊谷「自分が若い時は地元を離れるしかなかった、情報の発信場所が東京と大阪しかない状況だったから。けど、今はネットが発達してきていてどこにいても情報を捕まえられる時代になった。逆を言えば自分から情報を発信できる時代になったってこと。無理に東京に行く必要はない、地元が好きなら地元にいながら最先端の事を出来る方法を探してみるのもありだと思う。自分も芸人始めた13年前に地元で芸人活動が出来るなんて思ってもいなかったけど、今こうしてみんなの前に立てている。時代は変わるよ。」
多聞「一度東京や大阪の都会に出てみるのはありだと思う。こんなところがあるってのを知るのはとてもいいこと。自分も大学~若手の時代10年過ごしたけど、その経験が今に生きている。自分は都会では生きていけないなと思う。けど、それは実際に都会で暮らしてみたから言えること。今の岩手の暮らしは大変だけど多くの人に支えられて生きている。それを実感できるのは本当に幸せなこと。いつかどこかで地元に戻ってくるって思いを持ちながらこれからの進路を考えていって欲しいね。山田でなくても盛岡や花巻といった近いところで仕事をすることだってできるんだからね。」
人生の先輩からのアドバイスに大きくうなずきながら話を聞いてくれる生徒さん達。
これからの人生に少しでも役に立ってくれればと思います。
最後に地元に伝わる太鼓と踊りを披露していただきました。
地元愛に溢れた演技はこみあげてくるものがありました。
東日本大震災から間もなく7年。
見た目には復興は進んでいるように見えていますが、ゴールはまだまだ先のように感じられました。
少しでも被災地の皆さんのお力になれるよう頑張っていこうと決意を新たにしたアンダーエイジと住みます記者でした。