宿場町として栄えた角田市の金津(かなづ)地区に藩政時代から伝わる、豊作祈願、虫除け、成長を祈願する伝統的な七夕行事。
無形民俗文化財として県指定になっています。
祭りの当日、旧宿場街道の金津商店街に飾られるのは、地元の子どもたちが丹精込めて作った手作りの七夕飾り。
薄闇に包まれる19時を過ぎると、子どもたちが「七夕のと渡る舟の梶の葉にいく秋かきつ露の玉づさ」という新古今和歌集の古歌を唱和しながら、拍子木を先頭に、提灯、竿灯を持ち行列を作って町中を何度も練り歩きます。
提灯行列は、日没前は灯を入れないでカラオクリをし、暗くなると紅白に染めた提灯を灯します。
七夕の竹飾りを「カラオクリ」と呼んでいるのは「空送り」のことで、「本送り」である提灯行列に対しての呼称であることから、この七夕は「星祭り」的行事ではなく、邪霊を鎮送する送り行事としての意味合いが強いものです。
県下では他に類例を見ない子供中心の貴重な民俗行事であり、平成25年3月に国の選択無形民俗文化財になっています。