岩手県住みます芸人・アンダーエイジが陸前高田市を訪問したのは3月8日。
訪問させていただいたのは陸前高田コミュニティーカフェ「りくカフェ」。震災から約半年後にオープンしたこの施設は、カフェとしての利用はもちろんですが、地域の方が集まれるコミュニティスペースとしても活用されています。
この日は特別イベントとして料理教室が開かれ約三十名の方が参加されていました。
指導を担当するのは一関市でレストラン「あさひや」を経営する原田良一さん。震災後の炊き出し、仮設での料理教室、学校への食育授業・テーブルマナーなど長く支援を続けられてきた方です。アンダーエイジも料理教室に参加させていただき、一緒に料理を作り皆様から話を聞きました。
皆さんと一緒にグラタンを作る熊谷
こちらは揚げ物に挑戦する多聞
一緒に料理をしながら6年前の事について話を聞きました
「いまでも3月が来ると憂鬱になる、早く4月になってほしい。6年たっても変わらない。」
「親戚など二十人以上を亡くした、何故自分が助かったのか自問自答をする」
など決して癒える事のない傷があるんだということを知りました。
一方で「ここに来てみんなで顔を合わせているだけで幸せ、一人でいるのは寂しい」と語る人も。
改めてコミュニティーの大切さを感じました。
料理教室も終わり、漫才を披露させていただきました。「楽しい時間だった、笑うと元気になるね、明日から頑張るよ」と声かけていただく方もいらっしゃり、こちら元気をいただく場面もありました。
原田さんにも話を伺いました。「震災直後は味なんて関係なく食べることが大切だった、生きることで精一杯だったからね。半年が過ぎた頃だったかな、学校給食を作って持っていた時、食事の前と後で子供達の表情が違って元気になったのがわかったんだよ。ただ腹を満たせばいいのではではなく、美味しいものを食べて心まで満たさないといけないんだなと思ったよ。」と震災直後から現在までの思いを語ってくれました。
「震災後、多くの大人がこちらに来て支援をしてくれた、また来るからね!と言って帰って行った多くの人は戻って来ることはなかった。子供達はそういった事を覚えている。大人の醜い部分を見せてしまったのかもしれない。子供たちの前に帰ってきたよ!と料理を持っていった時の嬉しそうな顔を一生忘れることはないんだろうな」とも。
「この地域の将来を担うのは間違いなく子供たち。いずれこの地を離れていく運命なのかもしれないけれど、その時まで高田はいいところで、いつか戻ってきたいと思わせないといけない。自分は料理というものを通じてしか表現出来ないけど、子供たちの為に、地域の為にできることをしていきたい」と熱く語っていただきました。子供たちの笑顔溢れる地域となることが復興の完成となるのだということを感じる訪問でした。
これからも、機会を作って沿岸の皆様に元気を届けたいと思います!